先ず、中足骨が内反位に(身体の中心に向かって変位する)なることから始まるのが第一の原因です。
その度合いが強いほど趾骨の外反位(身体の中心から外れるように変位する)も顕著になるのです。
靴は最後の原因です。
ヒールの靴を履かない10歳の女の子が外反母趾に、下駄、鼻緒の履物で暮らしてきた人が何故外反母趾になるの?の答えに窮します。左右で外反母趾の程度が違うのをご存じでしょうか。
しかし、時に、中足骨が望ましいのに趾骨が外反する。余ほど身体の仕組みが剛健なのでしょう。このような例は稀で、これこそ先細りの靴の所為です。
外反母趾自体の痛みは、趾骨が外反しようとする亜脱臼の過程で生じます。脱臼しきってしまえば、外反母趾自身の痛みではなく、多くは履物による圧痛です。
歩行時、あおるのに母趾が使えず、母趾球を過度に使うため、そこにたこ(胼胝)が生じたり、滑液胞が摩擦でどんどん大きくなり、さも出来物のような症状をみせ、脱臼が進めば進むほど、中足骨頭があらわにみえるのでこの脹らみが、益々圧痛に輪をかけます。
①中足骨が内反する理由
イ開張足(ヨコのアーチが低下し、足幅が拡がる)
ロ前足部が回内する
ハ踵骨が外反すると前足部の回内を促進する
②改善策
開張足をいかに改善させるか!
因みに、ご自身の手を思いっ切り開いてみて下さい。どうでしょう、親指が身体の中心に向かっているのがわかります。これが開張足です。
次に、手の甲を丸めるようにして下さい。親指が人差し指のほうへ近づきヨコのアーチが形成された状態となります。足でもこのような変化があれば、開張足や外反母趾の改善につながります。以下に自力と他力による改善策をご紹介します。
A 自力(読んで字のごとく、自分の力で足を鍛える)
◎タオル掴み運動、足趾じゃんけん等、趾先を使う運動を取り入れ趾の動きを活性化する。
◎踵から着地して、後足部で出来るだけ長く歩き、前足部への負担を軽くし、
開張足を未然に防ぐ。
B 他力(履物などのサポートを借りて足を整える)
◎タテ、ヨコのアーチパッドが補正された靴、インソール(足底支持板)を使用することで足の骨格を
整える。
◎踵骨外反が強く、足首が内側へ大きく傾斜している場合にはアンクルブーツを着用し、内側の
倒れこみを支えます。
◎日常、特に室内の生活が大部分の方は、アーチサポートを補正した室内履きの使用をお薦めします。